SSブログ

永遠の0 [映画]

 25日(土)に映画「永遠の0」を観に行った。観客の年齢層は総じて高かったが、若者や子供も散見された。
 映画版は小説の内容をある程度圧縮したものであったが、伝えるべき点は省かずに、寧ろ端的に表現することで分かりやすい作品に仕上がっていた。
 とりわけ、終盤、主人公の祖父賢一郎が主人公に、このような悲劇は特別なことではなく、その時代を生きた人々は皆抱えながら生きてきたということを説く場面は、私のように戦争を知らない世代には、かなりの凄みを持って迫ってきた。
 また、映画の最後に、特攻に向かう宮部機が、最期の時を迎える間際に現代の我が国の上空に現れる場面は、非常にシンボリックで趣き深かった。宮部久蔵に象徴される数多の日本兵の方々は何のために己が命を賭けたのか。そして、彼らの犠牲の後で、この国を受け継いだ私たちに出来ることは何なのか・・・。
 上映中は、館内から嗚咽が漏れるほどで、とても涙なくして観ることのできない作品であるが、時間が経って冷静になってからの方が、寧ろ、考えさせられることの多い作品であると感じる。きっと、この作品は、現代を生きる日本人が、その存在すら忘れそうになっていた本来背負わねばならない十字架を眼前に突きつけているに他ならないのである。

クライマーズ・ハイ [映画]

 先日、映画「クライマーズ・ハイ」をDVDで観た。昨年映画館でも観たのでこれで二度目になる。

 この映画は、昭和六十年に発生した日航ジャンボ機墜落事故に群馬県の地方新聞社がいかに向き合ったかを描いた作品であるが、社会と企業の関係、部局間対立、部局内対立、派閥間対立等々、正に、どこの組織でも有する病巣の縮図が現実的なものとして物語の中に緻密に織り込まれており圧巻だ。

 既に社会人の私には、「こういうシチュエーションってうちの職場でも有り得るなあ」などと妙に感心してしまうところが多かったが、同時に自分がこの新聞社の社員だとすれば、どういうポジションでどのように振る舞えるのかを、ついつい考えてしまった。

 この作品には、スーパーヒーローは登場しない。社長も中間管理職もヒラも、最終的には全て個人の了見の枠の中で動いていくのがいかにも人間くさい。

 組織人として、皆が組織全体に目が届いた活動が出来たり、高邁な主義主張のために無私の働きが出来るとすれば、そして、そのような個々人の活動を組織全体として支えられるような組織風土があるならば、それは本当に素晴らしいことだが、そのようなユートピアはおそらく何処にも存在しないだろう。

 しかし、仮に、そのようなユートピアには縁がなく、己の了見の枠の中でしか動くことが出来ない環境に置かれたとしても、自らの任務への熱意と誠意さえ失わなければ、組織人として立派に輝く術があることを、この作品の主人公に教えてもらった。


クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD



クライマーズ・ハイ [Blu-ray]

クライマーズ・ハイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray



クライマーズ・ハイ [DVD]

クライマーズ・ハイ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD



クライマーズ・ハイ [DVD]

クライマーズ・ハイ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD



この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。