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(7月5日・6日)劇団四季ミュージカル「キャッツ」仙台公演2公演観劇 [キャッツ]

 7月5日・6日と1泊2日で、東京エレクトロンホール仙台(宮城県民会館)で公演中の劇団四季ミュージカル「キャッツ」仙台公演観劇旅行に出掛けた。

 もともとは東京に小旅行に出掛けるつもりであったが、どうせお金を使うならば被災地に近いところでと思い、急遽仙台に行き先を変更した。観劇については、今回の仙台公演の趣旨も考え、被災地の皆さんのための公演なので、予めチケットを取っておくことをせず、直前に取得するようにした。駄目ならば観光旅行に切り替えるつもりだった。

 5日ソワレと6日マチネの2回観劇したが、いずれもキャストは同じで、
グリザベラ:横山幸江さん

ジェリーロラム=グリドルボーン:熊本亜記さん

ジェニエニドッツ:大口朋子さん

ランペルティーザ:山中由貴さん

ディミータ:相原 萌さん

ボンバルリーナ:恒川 愛さん

シラバブ:和田侑子さん

タントミール:高倉恵美さん

ジェミマ:松山育恵さん

ヴィクトリア:馬場美根子さん

カッサンドラ:藤岡あやさん

オールドデュトロノミー:青井緑平さん

アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ:正木棟馬さん

マンカストラップ:萩原隆匡さん

ラム・タム・タガー:阿久津陽一郎さん

ミストフェリーズ:永野亮比己さん

マンゴジェリー:田中宣宗さん

スキンブルシャンクス:劉 昌明さん

コリコパット:入江航平さん

ランパスキャット:桧山 憲さん

カーバケッティー:光山優哉さん

ギルバート:新庄真一さん

マキャヴィティ:安芸雅史さん

タンブルブルータス:岩崎晋也さん

であった。


(5日リハーサル見学会)
 5日はリハーサル見学会の日に当たっていた。受付開始の午後3時45分には、既にホワイエはかなりの盛況であった。ホワイエの奥の扉付近まで進んでも、観客は途切れることなく続いていたが、驚いたのは、観客の皆さんが、自然に列を作って崩さなかったことである。これまでに大阪や京都でも四季の会のイベントに参加したことがあるが、開始時間前は、指定された扉の周囲で待てば良いことになっているので、たいていは皆さんそのようにして待っている。今回のようにきちんと整列し、あまり騒ぐこともなく静かに待っている様子に正直なところ少し感動した。
 午後4時10分にようやく場内に入ったが、1階席の7割位は埋め尽くされており、まさに大盛況であった。
 この日のリハーサルは、「ジェリクル舞踏会」の場面がメインで、一度通した後で、重要なポイントを確認したり、作品の解釈を確認したりしながら丁寧に進めていた。その他、「スキンブルシャンクス」の場面で皆の足を使って線路に見立てるところの足の高さを合わせたりといった細部の微調整を行っていた。
 リハーサル見学会後の質問コーナーでは、岩崎晋也さんの司会進行で、大口朋子さん、恒川 愛さん、青井緑平さん、劉 昌明さんの計5名が予め参加者から募った質問に答えた。

 あれだけ舞台で動き回っても疲れを残さない秘訣について尋ねた質問に、大口さんが、アミノ酸を服用することで疲れが出にくいと話され、その点については、他の俳優陣もその効果を認めているようだった。ミュージカル俳優と事務職は根本的に違うが、話を聞いていて、私も一度試してみたくなった。

 その他、青井さんの入団前後のエピソードとして、歌だけではなくダンスの要素も必要で大変だったが、それよりも大変だったのは全身タイツで人前に出ることだったと話されており、笑いを誘っていた。

 恒川さんはジンクスについて尋ねられ、コーラスラインの時は共演者の菊地正さんに手を合わせてから舞台に上がるのがジンクスだが、キャッツは袖と舞台の区別がないので特に何のジンクスもない旨を話されており、キャッツの特殊性については、他の俳優陣も共感されているようだった。
 加えて恒川さんからは、日頃猫を見掛けたら、挙動を観察しているとのお話があった。相手になろうとすると逃げられるおそれがあるため、敢えて静観しつつ、「どうするの?・・・どうするの?・・・そうするの・・・」と思いながら見ているのだそうだ。


(5日ソワレ)
 座席は1階S席7列目センターブロック上手側であった。

 この演目は、2006年9月9日に東京公演(五反田)を観ており、これがニ度目である。

 所謂ブックレスミュージカルなので、筋を追う必要がなく、気楽に見れる反面、漠然と見ていたら何が何だか分からない間に終わってしまう。

 前回、訳の分からない間に終わってしまった経験から、今回は、特別な一日を迎えた猫社会の中に紛れ込んで、猫達の悲喜こもごもを観察するつもりで観劇に臨んだ。

 この演目には、ミュージカルそのものの進行には必ずしも必要ではない「遊び」のようなものが至る所にちりばめられていて、改めて面白いと感じた。みんなが舞台で場面を進行しているのに、一匹だけ舞台隅のパンダのぬいぐるみを威嚇して、猫パンチをお見舞いしていたり、タガーの客いじりや、握手猫の演出、それ以前に、ゴミの装飾が過剰なまでに施されている劇場の装飾自体も全て「遊び」なのだが、これらが、この演目の独特の味というか雰囲気を醸し出している。

 オールドデュトロノミーの場面の「悲しみ越えた・・・」の下りで、ハンカチを使うご婦人が散見された。東北を襲った巨大災害を生き抜いた観客の心には殊更響く台詞なのかも知れない。私は、かつて阪神淡路大震災を経験し、数年はあの惨事を近傍に目の当たりにして、自らが今生きている意味を考えることが多かったのであるが、ご婦人の涙する姿を見て、その頃のことをふと思い出した。

 握手猫はオールドデュトロノミーの青井さんであった。衣装で軍手のような手袋で指先だけ素手のものを着けておられて、手触りに驚いたが、丁寧に握手して頂いた。


(6日マチネ)
 座席はS席1階4列目センターブロック上手側であった。

 昨日見ている時にシャム猫軍の動きにややチープさを感じていたのだが、今日改めて観てもやはりチープさを感じた。おそらくは、劇場猫ガスのこの世の名残の大芝居に周囲の猫たちが駆り出されたからこそあのチープさなのだと気付いて妙に納得した。

 この日の握手猫もオールドデュトロノミーの青井さんであった。思わず両手で握手してしまった。

 二日連続で見ると、舞台上の猫の間にも人間関係ならぬ猫関係があるのが見て取れた。特定の猫に親しくするもの、距離を置くもの、虐げるもの、虐げられるもの、善行をはたらくもの、悪行をはたらくもの・・・、まさに社会の縮図がこの舞台で展開されているのだと強く感じた。しかし、きれいごとばかりではない社会の縮図を垣間見ている我々観客は何故かくもこの演目を心から楽しめるのか。おそらくは、自らを利害の外に置き、自も他もない境地から自らが今生きている社会を認識することが出来たならば、この舞台を観ている今の心境と同じように、自分の人生に登場するあらゆる人々に愛おしさを感じ、周囲の人々に支えられて初めて自らの人生が輝いている真実に改めて気付かされ、人生を本当の意味で楽しむこと出来るのではないかと感じた。

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