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劇団四季ミュージカル「オペラ座の怪人」京都特別公演マチネ観劇 [オペラ座の怪人]

 今日は、京都劇場で開幕した劇団四季ミュージカル「オペラ座の怪人」京都特別公演マチネを観劇してきた。
 実のところ、東北・関東地方を一昨日襲った大震災の惨状をテレビで観て、観劇意欲もはかばかしくないまま劇場に赴いた。

 座席は1階S席3列目右ブロックであった。

キャストは、
オペラ座の怪人:高井 治さん
クリスティーヌ・ダーエ:高木美果さん
ラウル・シャニュイ子爵:中井智彦さん
カルロッタ・ジュディチェルリ:河村 彩さん
メグ・ジリー:松田未莉亜さん
マダム・ジリー:戸田愛子さん
ムッシュ・アンドレ:増田守人さん
ムッシュ・フィルマン:金本和起さん
ウバルト・ピアンジ:橋元聖地さん
ムッシュ・レイエ:斎藤譲さん
ムッシュ・ルフェーブル:田代隆秀さん
ジョセフ・ブケー:寺田真実さん

【男性アンサンブル】
瀧山久志さん
佐藤圭一さん
根本健一さん
野村数幾さん
伊藤潤一郎さん
松永隆志さん
見付祐一さん

【女性アンサンブル】
小林貴美子さん
菊池華奈子さん
栗城 唯さん
山本紗衣さん
清水麻梨紗さん
松ヶ下晴美さん
野田彩恵子さん
梅崎友里絵さん
吉村晶子さん
中里美喜さん
暁 爽子さん
今野晶乃さん
であった。

 今回は、1年10ヶ月ぶりにこの演目を観たこともあって、初見のキャストが多かった。

 中井さんのラウルは、若々しく力強いところが頼もしくほほえましい。貴公子らしい気品の表現をさらに磨けば、立派なラウル役者に成長しそうだ。

 松田さんのメグ・ジリーも、若々しく、やや押しが強く感じた。メグ・ジリーは、クリスティーヌが夢見がちなのに比べて、現実的な女性であるので、やや押しが強いというのは決して誤演ではない。今後のご活躍に期待したい。

 金本さんのフィルマンはなかなかの美声で、新聞飛ばしも決まっていた。

 橋元さんのピアンジには、若さと弱さを感じた。半場さんのふてぶてしい役作りとは少し違うテイストであった。また、河村さんのカルロッタは、まだまだ旬が過ぎたオペラ歌手には見えない。ご本人がお若いということもあるが、カルロッタとピアンジは芸術家としての旬が過ぎ、ややもすると堕落しがちであるからこそ、怪人の諸々の苦言の切れ味の鋭さに周囲はハッとさせられるのであるから、今日のように、カルロッタとピアンジが若くて凛々しいと、そのあたりのバランスが崩れてしまう。そうなれば、いかにも怪人がクリスティーヌをスターにしたいがためだけに暴言を吐いているようにさえ見えてしまう。
 しかしながら、キャストが総じて若いことで、「プリマ・ドンナ」などの重唱では、切れ味鋭い歌声が堪能することが出来たのもまた事実であり、安易に否定することもためらわれる。

 次におなじみのキャスト勢であるが、高井さんの歌声も相変わらずの美声であったし、高木さんは大阪公演の頃よりも演技に磨きがかかっていた。


 その他、音響については、エコーはやや過剰であり、照明はやや暗めであるように感じた。舞台の間口が狭いので、前方の席でも、舞台全体の動きが掴みやすいが反面、スペースが詰まり過ぎて役者の動きに制約がある部分がある。
 なお、第一幕最後のオール・アイ・アスク・オブ・ユー(リプライズ)の場面は、プロセニアムアーチから宙づりの天使像ではなく、舞台上に据えられた天使像で怪人が歌っていた。どうやら、期間限定公演のため、舞台機構もフル規格ではないらしい。

 今日は何かの撮影が入っていたらしく、何度か舞台袖からフラッシュが焚かれた。また、カーテンコールは長く続き、7~8回にも及んだ。


 今日この作品を観て強く感じたのは、人生の理不尽である。
 怪人は、誰からも忌み嫌われるような醜い容姿に生まれたがために、闇の世界に閉ざされ、ようやく見出だしたクリスティーヌという一筋の光明も絶たれ、遂には闇の世界に一人消えてゆく。
 彼がそのような人生のプロットを好き好んで選んで生まれた訳ではなく、理不尽なままに人生を歩まされたのだ。

 怪人に与えられた理不尽な人生を見届けながら、テレビを通じて、目の当たりにした震災の惨状が頭を何度もよぎった。そして、まさに理不尽な死を遂げなくてはならなかった数多の方々に思いを馳せずにはいられなかった。

 よくよく考えれば、怪人の「劇的」な人生に限らず、人生というものは生まれるも生きるも死ぬも全て理不尽だ。その中でせいぜい自分自身に決められることは、生きられる時間をどのようにより良く有意義に生きるかということだけなのだ。

 いつ命果てることになるかも知れぬまさに無常の世ではあるが、だからこそ、与えられた生を全力で駆け抜ける。たとえその先に理不尽な最期が待っているのだとしても、「充分に生きた」と言い切れるような生き方をするのが、この国難を目の当たりにしながら生きる機会を与えられた私達の責務なのだと感じる。


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オペラ座の怪人 ロングランキャスト

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