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今更の感想・・・映画「オペラ座の怪人」日本語吹き替え版(劇団四季オールキャスト版) [オペラ座の怪人]

 もう一ヶ月も前の話になってしまったが、去年12月17日の金曜ロードショー(日本テレビ系)で映画版「オペラ座の怪人」の劇団四季オールキャストによる日本語吹き替え版が放映された。
 実は、この一ヶ月間、録画したものを何度も何度も見ていた。遅ればせながら、今日はその感想を記そうと思う。

 ボイスキャストは、
ファントム:高井治さん
クリスティーヌ:沼尾みゆきさん
ラウル:佐野正幸さん
マダム・ジリー:横山幸江さん
カルロッタ:歌:種子島美樹さん/台詞:中野今日子さん
フィルマン:青木朗さん
アンドレ:林和男さん
メグ・ジリー:五所真理子さん
ジョセフ・ブケー:維田修二さん
オークショナー:田代隆秀さん

男声アンサンブル
北澤裕輔さん、阿川建一郎さん、藤川和彦さん、斎藤譲さん、岡本隆生さん、勅使瓦武志さん、大塚俊さん、内田圭さん、雲田隆弘さん、金本和起さん、増田守人さん、内海雅智さん、見付祐一さん、畠山典之さん、佐藤圭一さん、佐藤季敦さん、寺田真実さん、天野陽一さん

女声アンサンブル
秋山知子さん、はにべあゆみさん、原田真理さん、佐和由梨さん、小林貴美子さん、諸英希さん、遠藤珠生さん、河村彩さん、菊池華奈子さん、松ヶ下晴美さん、倉斗絢子さん、

(アドバイザー:北澤裕輔さん)
であった。



 高井さんは、普段の舞台程も声量を要しない分、ワイルドに歌われたり、非常に繊細な芝居をされたりと、普段と違った魅力を醸し出しておられ、それがまた大変素晴らしかった。

 沼尾さんのクリスティーヌは乙女の清しさを重視した役作りで、これも、普段の舞台とは、一風違う感じを受けた。

 佐野さんのラウルは、舞台では拝見したことはなかったが、非常に凛々しい美声であった。

 種子島さん、半場さんとも、丁寧に仕上げておられた。

 中野さんは、あのミニードライバーのくせのあるカルロッタの芝居を違和感を感じさせず演じ切っておられ、関心させられた。

 横山さんであるが、映画版のマダム・ジリーには、舞台版ほどの厳格さがないこともあって、やや影が薄かった。

 五所さんのメグ・ジリーも、初めてこの役を務めたとは思えないほど、違和感はなかった。五所さんは、一昨年の大阪公演では、プログラムのメグ・ジリー枠に名前が載ったものの、実際に舞台に立つことはなかった。今回の抜擢は、三月に始まる京都公演でのメグ・ジリーデビューを実質的に予告するものと考えて良いのだろうか。


 吹き替え版全編を通しての感想としては、大変良く仕上がっており、映像を収めたDVDは、宝物の一つになった。唯一と思われる製作上の誤りは、マスカレードの歌詞が、映画版ではまだ落ちていないシャンデリアに言及してしまったことくらいであろう。

 但し、予想以上にカットが多くて、ブケーが怪人の悪口を言うシーンのような、以後のストーリー展開に重要な役割を果たすシーンがカットされていたり、前奏や間奏の美しいメロディラインがバッサリ切られていたりで、ミュージカルナンバーの旋律も楽しんでいる者としては、少々残念ではあった。また、画質は細部が潰れており、DVD未満の画質でしかなかったし、音質についても、放送上の制約か良いものではなかった。加えて言えば、挟むCMも考え物で、怪人がミュージック・オブ・ザ・ナイトでクリスティーヌに愛を囁いた直後のCMが「トイレの黒ずみ対策」であったり、最後のクリスティーヌの選択の場面でCMが入って興が醒めたりと、ミュージカルの民放放映の難しさをまざまざと思い知らされた。是非とも、日本語吹き替え版収録のブルーレイディスクの発売を強く望むところである。

 しかしながら、実質的に無料でこれだけの芸術に触れることが出来る贅沢を考えると、今回の企画実現に際して、劇団四季並びに日本テレビが下された英断にただ感謝するばかりである。


 そういえば、「ジーザス・クライスト=スーパースター」や「エビータ」は既に映画化されているが、日本語吹き替え版がまだない。さらには、「ウィキッド」の映画化も数年後に控えており、今回のようなサプライズ企画は、今後の劇団四季ファンの潜在的な楽しみの一つになり得るのかも知れない。




↑劇団四季吹き替え版の日本語音声が収録されたブルーレイディスク(2012年4月発売)
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